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放射線治療専門医試験2019-2

高エネルギーX線で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 10 MVのピーク深は約1.5 cmである。

b 主に光電効果がビルドアップ効果に関与する。

c 高エネルギーになるほど前方散乱が少なくなる。

d 照射野が小さくなるほど最大線量は浅部に移動する。

e 物質へのエネルギー付与に最も寄与するのは二次電子である。

 

引用1:がん・放射線療法2017 第4章 3

a.×:引用1よりX線のPDD(Percentage depth dose)は6MVの場合1.5cmで最大(dmax)。dmaxに至るまでの距離(ビルドアップ領域)は高エネルギーほど深部に移動するとされるので、10MVでは1.5cmより深いはず。下図は4MVと10MVのPDD。

引用:ぎもんラド!!

b.×:X線により電子(一次電子)が発生。←光電効果。この電子が電子ビルドアップ(二次電子)を雪崩のように発生することで上記のビルドアップが生る。ビルドアップは一次電子⇒二次電子のことで、光電効果の後のことだという意図かと思います。

c.×:X線のエネルギーが大きくなるほど線束外への喪失が少なくなる(照射野の外への散乱線、後方散乱や側方散乱の減少、前方散乱の増加)。逆に透過物質が厚い、低線量では後方散乱、側方散乱は多くなる。

d.×:照射野サイズが大きくなるほど浅部へ移動する。引用1では二次電子の増加によってとされているが、調べてみると後方散乱の影響ともある。照射範囲が広いと中心にくる後方散乱線が多くなると考えるほうがわかりやすいように思います。

e.○:X線γ線は間接電離放射線で、吸収線量はX線γ線が直接与えるのではなく、発生した電子から与えられる。X線では選択肢bの解説のように発生した二次電子が最終的に吸収線量に寄与する。

 

 

最初勘違いしており、調べてみて最終的にこのように理解しました。間違いもあるかもしれませんので、お気づきの点ありましたらコメントいただけると嬉しいです。